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日本の同性結婚

ご存知の方も多いと思いますが、現在の日本の法律では、同性同士の婚姻はまだ認められていません。世界の他の国では同性結婚が認めているところもありますが、日本ではこれから認めようという動きはあるものの、まだ法制化されていないというのが現状です。同性同士の養子縁組は比較的結びやすく、同制度で代替されてきた面もあるため、同性愛団体などから本格的に法制化を求める動きもありません。ですが、近年は欧米などでの同性婚合法化の波を受け、同性婚の実現を求める声も上がり始めています。

日本の同性結婚の見解

同性結婚が法的に認められている国にカナダやスペインがありますが、これらの国々に習い、日本も同性結婚したい人を差別しないようにという運動が進んでいます。けれども、日本で同性結婚が許されるようになるのはまだまだ先の話ではないでしょうか。憲法が結婚を「夫婦」と定義してしまったため、憲法を改正しなければ同性婚は法的に成立しないという意見が司法関係者の間では一般的だからです。

日本の同性結婚の特例

ただし、日本でも同性結婚について現在特例が設けられています。例えば、2人以上の医師の診断により、本人が性同一性障害だとみなされた場合、性別の変更をすることが可能になるため、結果的に同性結婚をすることも認められるのです。また、20歳以上であることと、子供がいないこと、性別適合手術を受けていることといった条件を満たしている場合、戸籍の性別を変更することが可能です。ということは、同性結婚も可能になるというわけです。

日本の同性結婚の問題

日本では同性婚の法制化に向け、少しずつ進展はあるものの、同性結婚はまだ認められていないので、事実婚のような法的な保障は一切ありません。同性同士で家庭をもっても、保険金や年金ももらうことができないという現状があります。また養子縁組の形で戸籍上に関係を登録した同性カップルであっても、遺産相続権をめぐって同性愛の関係であることを理由に、片方の親族から養子縁組関係の無効を要求する訴訟を起こされるようなケースが想定されます。よって、実務的な観点からはパートナーシップ法(シビル・ユニオン)などの明確な立法化が望ましいとされます。また、同性愛者のカップル自身が、どこまで法的な保護をあてにできるのか、はっきりと分からないところが最大の問題であると指摘する声もあります。

同性結婚と政治

同性結婚に対するマニフェスト

日本においては社会民主党が選挙公約にフランスのPACSをモデルとした新制度の創設を目指すとし、日本共産党は欧米各国のパートナーシップ法などを参考に、日本でも性的マイノリティの人権と生活向上、社会的地位の向上のために力をつくすとしました。公明党、みんなの党も性的マイノリティーの権利擁護を目指すとするマニフェストを発表しています。これまで日本の同性愛者の間では養子縁組制度が同性婚の代替的な機能を果たしてきました。しかし最近では、欧米での同性結婚の合法化の波を受けて、親子擬制の養子縁組ではなく、男女の結婚のようなきちんとした婚姻関係を結びたいという声も高まってきています。

同性結婚に対する政党の立場

LGBT団体「レインボープライド愛媛」が、2012年12月の総選挙に際し、各政党に対して行ったアンケートによると、同性結婚に対する各党の態度は以下のようになっています。

  • 【A】同性でも婚姻制度を適用できるようにすべきだ。:日本維新の会、社会民主党
  • 【B】現在の結婚に変わる制度、異性同性を問わず利用できるパートナー制度が出来るべきだ:日本共産党
  • 【C】こうした制度は異性間のものであるべきで特に必要ない:自由民主党
  • 【D】答えられない/分からない:民主党、公明党、国民新党

同性結婚と日本国憲法

日本国憲法には下記のように明記されています。第24条1項は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」、2項は「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」とあり、このように、結婚は夫と婦、両方の性のものだと明記されているのです。

同性結婚と憲法の改正

同性結婚に対する憲法改正は、国民的合意を得られないと非常に難しいという事情があります。というのも、憲法の改正には第96条で衆参両院の3分の2以上の賛成を得たうえで国民投票で過半数の承認が必要という厳しい条件が規定されているためです。そのため、同性結婚を主張する同性愛関連の団体や個人の中には現行憲法でも、両性とは男性と女性の両方という意味ではなく、それぞれの独立した両方の性別、また夫婦は夫(男性)と婦(女性)という意味だけでなく、女性と女性、男性と男性の組み合わせも夫婦と再定義すれば同性婚は認められるとの主張が存在するのです。

日本の同性結婚の現状

日本では、性同一性障害と認められた場合に限り、手術が受けられ、先ほどの条件を満たした場合にやっと性別を変えることが出来るというレベルですから、同性結婚への認知も理解もまだまだ低い言えるでしょう。さらに単なる同性愛者の同性結婚となると、社会的にも認められるのは難しいのが日本の現状のようです。

内縁関係

日本では戦前は結婚に親の承諾が必要であったため、駆け落ちなどで結婚をせずに内縁関係の「夫婦」となるケースが多かったため、戦前から内縁関係の夫婦にも正式に結婚した夫婦に近い権利を与える判例が多くありました。海外と同様に、パートナーシップ法(シビル・ユニオン)などで夫婦と同一の権限を同性のカップルにも認める法律を制定し、夫婦としてでなく家族として籍の登録を認めることが同性婚の代替として提案されています。この点で、同性カップルの共有財産権などを、男女の内縁関係に類似した関係とみなし、ある程度は法律が保護するような判断を下した判決もあります。このように、日本でも、同性カップルの権利が法的に全く無視されているとも言い切れないところもあります。そのため、日本の場合、既に認められている権利と認められていない権利の基準があいまいで、司法関係者や行政の窓口の担当者によって判断が変わります。