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『LGBT』と政治

『LGBT』の権利は公の場で討論となるケースは多くはありませんが、人権問題として取り上げられることはしばしばあります。公の審議として人権擁護法案が有名です。2001年に法務省の人権擁護推進審議会は「人権救済制度の在り方について」という答申をまとめました。この答申には性的指向に基づく差別の禁止が盛り込まれ、人権擁護法案として国会に提出されたが廃案となりました。2007年8月11日開催の第6回東京プライドパレードには、初めて厚生労働省と東京都が後援となりました。また、パレードの開催地区の渋谷区とセクシュアル・マイノリティに縁の深い新宿2丁目を擁する新宿区の区長からメッセージが寄せられました。

政党

政党用件を満たす政党の中で、LGBTに関する公約を掲げているのは、公明党、みんなの党、日本共産党、社会民主党の4政党です。但し維新の会の公約では言及していません。また自民党や民主党は党の公約で触れていませんが、党内には同性愛者の権利についての見解に賛否両論があります。その他政治団体では緑の党が言及しているほか、日本維新の会共同代表の橋下徹氏も弁護士時代によみうりテレビの「なるトモ!」のコメンテーターとして、同性愛の人たちの権利や同性婚は認められるべきだと発言しています。また「レインボープライド愛媛」が2012年に行った政党アンケートでは、日本維新の会は、人権問題として性的少数者らの問題に取り組んで行くことや同性婚に賛成しています。また民主党は与党時代に、同党議員有志で「性的マイノリティ小委員会」を作り、主としてLGBTの自殺対策について討議しました。

政党アンケート

2012年12月の総選挙に際し、「レインボープライド愛媛」が各政党に対して行った「性的マイノリティに関するアンケート」をご紹介します。

Q1.人権問題として同性愛者や性同一性障害者らの性的少数者について取り組んでいくことをどう思われますか?

【A】人権問題として積極的な取り組みが必要だ:民主党、日本維新の会、公明党、共産党、社民党

【B】人権問題として取り組まなくてよい:自由民主党

【C】同性愛に人権という考えはあてはまらないように思う:

【D】個人的な問題であり差別や偏見を被るとしたら同性愛という立場を自ら選択したことに原因がある:

【E】答えられない/分からない:国民新党

Q2.性的少数者の人権を守る施策の必要性について

【A】社会の理解が不足している課題なので積極的な啓発や施策が必要だ:民主党、日本維新の会、公明党、共産党、社民党

【B】差別や偏見は特段に無いと思うので積極的な取り組みは必要ない:

【C】人権問題として扱うものではない:

【D】同性愛や性同一性障害を助長していくような施策は必要無い:

【E】性同一性障害者への施策は必要だが、同性愛者へは必要がない:自由民主党

【F】答えられない/分からない:国民新党

Q3.同性結婚について

【A】同性でも婚姻制度を適用できるようにすべきだ。:日本維新の会、社会民主党

【B】現在の結婚に変わる制度、異性同性を問わず利用できるパートナー制度が出来るべきだ:日本共産党

【C】こうした制度は異性間のものであるべきで特に必要ない:自由民主党

【D】答えられない/分からない:民主党、公明党、国民新党

各党公約

公明党

「性的マイノリティの人々が暮らしやすい社会の構築」をする。具体的には、性的マイノリティの人々への理解を深め、偏見や差別をなくすことを目的とした多方面にわたる啓発や人権相談体制の強化など、必要な施策の充実に努め、性的マイノリティの人々が暮らしやすい社会を構築する。性同一性障害について、精神保健福祉センターなどの相談窓口体制の強化や、学校教育での配慮を図るとともに、医療や人権分野の環境整備を進るとしました。

みんなの党

「性的マイノリティに配慮した施策の充実に努める」としました。

日本共産党

「性的人権を守り社会的地位向上をはかる」としました。具体的には「性別適合手術に医療保険を適用させる。公営住宅、民間賃貸住宅の入居や継続、看護・面接、医療決定の問題など、同性のカップルがいっしょに暮らすにあたっての不利益を解消する。欧米各国のパートナーシップ法などを参考にする」としました。

社会民主党

「性的マイノリティへの偏見の解消に取り組む」としました。具体的には「職業・雇用、公営住宅や高齢者施設の入所などにおける差別を禁止し、教育現場において啓蒙とサポート、いじめ調査を行う」としました。また、フランスの民事連帯契約法にならった制度の創設、性同一性障害者特例法の適用拡大を掲げました。

政治と差別

近年、日本の政党もLGBT政策を公約に掲げ始めましたが、戦後史の中では、同性愛者に無関心か差別的だった歴史があります。稲田朋美氏のようなキリスト教系保守の中には同性婚を「家族の否定」だとして反対する立場を取る政治家もいます。「レインボープライド愛媛」が2012年選挙に際し行ったLGBT施策の政党アンケートで、同党は、人権問題として性的少数者の問題に取り組んで行くことについて、「取り組んで行かなくてもよい」と回答しています(但し性同一性障害についての施策は必要としている)。他の保守政治家では、石原慎太郎元東京都知事は「同性愛者は足りない感じがする。」と発言しました。ただ保守系政治家・政党も多様であり、日本維新の会は前述の政党アンケートで同性婚や性的少数者の人権擁護施策などに賛成していて、みんなの党も性的マイノリティに関する公約を掲げています。そもそも日本の歴史・伝統は同性愛に寛容で、戦国武将などの間でも男色は盛んでした。同性愛や同性婚を否定する理由に「日本の伝統の否定」を挙げるのは、実は日本の歴史と伝統に基づいていないということがわかります。

『LGBT』の差別

LGBTの運動は個人の言論の自由や職場における信教の自由、教会運営の権利、慈善団体、その他の宗教組織の社会的または文化的観点でLGBTの権利を反対すると衝突する事象も見られました。また同性愛の受け入れによって同性結婚式の開催や税控除の喪失を懸念する宗教団体もあります。LGBTは、様々な個人や団体から反対を受けてきました。反対は個人的、道徳的、政治的、宗教的な観点で同性愛者の権利や同性愛関係、同性愛の人々に対して向けられてきました。同性間の関係は結婚ではないという主張や、複婚のために同性結婚は用意されているとの主張、不自然であるからという主張、不健全な行動で結びついているからという主張がなされています。